町の中心地から美崙渓に沿って蘇花公路の坂道を歩いてゆくと
今回の目的地が見えてきました。
日式と言われる こちらの素敵な洋館も70年前であれば
物々しい雰囲気に包まれていた事でありましょう
現代では観光スポットとなり敷地内にはカフェや
お土産を扱うコーナーも設けられておりました。

花蓮 松園別館

この建物は台湾の花蓮市にある松園別館
昭和17年に日本軍が指揮をとる為に建てられたもので
第2次大戦中は神風特攻隊が出撃前に滞在していた場所でもあります。
現在は台湾歴史百景にも選ばれており
文化交流や芸術家達の発表の場ともなっているのです。
高台に位置する事もあり敷地内からは町を一望する事が出来ます。

建物の裏手に回ってみると、ガジュマルの木が門柱に侵食しており
風化した景観を魅力ある作品に仕上げている。
さらに奥の建物 松園故事館 は軍の集会所跡で
出撃前の特攻隊が御神酒を頂いた場所と記されておりました。
周辺には防空壕跡や防火用の貯水池があったり
日本統治時代の面影がしっかりと残されておりましたが
ネガティブな雰囲気は微塵も感じられず
台湾の史跡としても憩いの場としても素敵な空間となっておりました。

花蓮 松園別館

松園別館からの帰り道、蘇花公路を10分程歩いた所でしょうか
また別の日式の建物を見つける事が出来ました。
將軍府と言われる地帯で、当時の日本軍将校達の住居跡の様です。
一見すると日本の旧家そのものですが台湾の風土に合わせて
床の高さを上げてあったり、天井付近に通気口が作られていたり
湿気がこもらない工夫がみられます。
屋根等傷みの激しい棟には屋根が設けられており劣化するのを防いでおります。

ここで沢山の日本人が暮らしていたのかと思うと不思議な気持ちになります。
何よりも日本統治時代の建物と承知の上で

復元や修復を繰り返し大切に保存して下さっている
台湾の方々には心からの親しみを感じるのです。

花蓮 將軍府

さて、翌日は基隆市へ移動、まだ夕方にもなっておりませんが
夜市は賑わいはじめております。
食べ歩きもさる事ながら、基隆ではもう一つ楽しみがありました。

元々は柔道の稽古が出来る道場を探していたのですが
市街地の地図を調べてみると、ブラジリアン柔術の道場を発見。
突発的ではありましたがメールで問い合わせをしてみると
ヘッドインストラクターの小笠原誠さんから返信を頂く事が出来ました。
残念ながら先生は日本に帰国中でいらっしゃらなかったのですが
ご丁寧にも現地の道場に連絡をして下さり、練習に参加させて頂く事になりました。

基隆 夜市

そっと道場の窓を覗き込んでいると、門人の方が私に気が付いたらしく
ジェスチャーを交えながら 真新しい道着を貸して下さいました。
私は長年、武道を学んでおりましたが…
ブラジリアン柔術とはなんと興味深い分野でございましょうか
精神論だけではなく、多くの人にも伝わる様に理論的に細かくレクチャーをする感覚
とても興味深い経験でありました。
前田光世 先生が伝えた日本の武道が形を変えながら、様々な国に伝わっているなんて
本当に奇跡のような出来事であります。
稽古が出来る環境のありがたみを つくづく感じる日でもありました。

この度は見ず知らずのうえに、言葉も拙い私に対して
身振り手振りでご指導下さった台湾BJJの皆様
そして、ご多忙中にも関わらず取り次いで下さった
小笠原先生には心から感謝でございます。
この御恩はいつか何らかの形でお返し出来たらと思っております。

今週からは南極大陸そして南米へ向けて新しい旅がはじまります。
またどこかのタイミングで更新出来ればと思っております。
それでは ごきげんよう。