先日から文化庁の芸術体験事業で巡回公演をされている
藤山新太郎さんからお声がけ頂き、江戸手妻公演の一座に参加しておりました。
日本文化と申しますか和の雰囲気には、お客様の好みがはっきりと分かれるものです。
低年齢層に和物の内容は少々難しいのでは…と考えておりましたが
意外な結果に驚かされる場面ばかりで御座いました。

今回は新潟県上越市から、富山県の四方そして小矢部方面を巡り
松旭斎天一の故郷でもある福井県、そして京都府の綾部へと巡業の旅路でございます。



90分間という子供にとっては長時間に及ぶ公演にも関わらず
どの地域でも飽きる事なく楽しみながら舞台を鑑賞している子供達
裏方を手伝いながら相当考えられた手順構成と演出に感心してしまいます。
邦楽の演奏も現代の楽曲を絡める事によってお客様の関心が一層高まっていた事
三味線や鼓の和楽器の音色に合わせて子供達が自発的に歌い出している姿は
中々見る機会の無い出来事だと思います。

今回、私はお弟子さん達に交ぜて頂き貴重な役まで頂戴する事が出来ました。
芸はその場だけ真似て出来るものではく、日常生活の動きはクセとなり必ず反映されてしまいます。
洋の芸が多い私にとって、和芸口上の調子は思い描く言い回しが出来ず
ご迷惑をかけてしまう場面もありましたが、通常の公演では経験出来ない勉強をさせて頂きました。

演目は、種を蒔くと短時間にして植物を成長させる「植瓜術」をはじめ
文化庁の芸術祭に於いても賞を受賞している「水芸」
そして、紙の切れ端を蝶々に見立てて扇子で羽ばたかせる「蝶のたはむれ」
この作品では光栄な事に後見につかせて頂き、身近に芸を感じさせて頂きました。
大掛かりな舞台やマジックショーを観た時にも
それなりの驚きや感激を受けた事は多々ありましたが
紙の切れ端一枚を扇いだだけで、それに劣る事のない感動が生まれている

蝋燭明かりで舞っている紙片が、私には時より本物の蝶に見えていた
これは一つ、名人の形として残る様な気が致します。